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渚は面接が終わり、校舎を出た。

が、まだミリアのことで頭が混乱している。

「あれ?」
と、聞き覚えのある声。
その方向を見ると
「あ…こんにちは。」
骸の友人である男性2人。
今日はあの可愛い女の人と綺麗な人はいないようだ。
「あー、今日面接試験だったんだっけ?」
「どうだった?手応えは」
「あ、えっと…」
「面接官どういう人だった?」
聞かれ、渚はミリアのことを知ってるかもしれないと、2人に話した。

すると2人は少し気まずそうな顔をしたあと
「理事長の孫…?」
「そう…。だからあの時チャラ男2人辞めさせられちゃったんだよね。」
「え、ミリアさんって…?」
「ミリアさんはただの理事長の孫だけど、でも実質ミリアさんの判断で物事が動くこともあるんだよね。」
渚はただ呆然と口を開く。
そんな渚にためらいながらも恐る恐る
「てゆうか…六道から聞いてない?」
渚はギクリと肩を跳ねさせる。
「ま、まあ…」
2人は顔を見合わせ
「そっか…。じゃあ筆記試験も頑張ってね。」
「あ、はい…。時間とらせちゃってすいませんでした。」
「いやいや。じゃあまた」
と手を振った彼らは校舎へと入って行った。

渚は黙って学校へ向かった。



もう渚は合格することを考えられず、他の大学のパンフレットを読みあさった。


が、


数週間後、学校に合格通知がきた。























「合格…?おめでとうございます!」
「ありがとう」
あのあと骸からミリアさんの話しを聞いた。
知っていたけど、初めて聞いた振りをした。

面接官がミリアさんということも話していない。

ミリアさんがあの大学にあんなに深く関わっているなんて考えていなかった。

そして、合格通知がきたとき、嬉しさより何か不安が募ってしまい
骸に向けてる笑顔が作ってるのか本当かわからなくなってきてる。


そんな曖昧な気持ちのまま骸と一緒にいるのが申し訳なくなってきてしまう。

ミリアを嫌いなわけじゃないし、綺麗で可愛いミリアに憧れる反面自分と比べてしまい、
そしてあのミリアの微笑みを思い出すと何故かすごく不安になってしまう。


すぐに骸に合い鍵を渡そうと思っていたのに。

キーホルダーもなにもついてない鍵はまだこの手の中に。

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