はぁと溜め息をつくエリーゼ、恋人である大尉にちゃんと愛されているのだろうか。想いを告げて一ヶ月、なんの進展もなく想いを告げる前と状況はたいして変わらず不安が募るばかりであった。けれど直接聞く勇気などエリーゼにはさらさらない。
だからこうして今日も悩んでいるのだ。大尉は今頃何をしているのだろう、訓練か少佐の傍に立っている姿くらいしか思いつかない。いや、それしか見たことがないかもしれない。これでも恋人同士と言えるのだろうか。胸の奥から何かが込み上げてきそうな感覚に襲われる。今すぐ会いたい。もっと近くにいたい。拳をギュッと握り締めるとエリーゼはスッと立ち上がり、まずは少佐の元へと走り出した。

「大尉?大尉なら独りで訓練でもしているんじゃないかね」

だいたいは少佐の周りに居るのでてっきりここかと思いきや、珍しく大尉はいなかった。少佐に言われ、訓練場に言ってみるがそこにも彼の姿はなく振り出しに戻る。他に彼が行きそうな場所はこの地下内にはないだろう。疲れがどっと押し寄せる。壁にもたれ掛かるとひんやりしていて気持ち良い。暫くそうしているとブーツで歩く時に鳴るカツンと言う特徴的な音が聞こえてきたのでエリーゼは誰かと思い、振り向くと少し先に捜しても見つからなかった大尉がいた。大尉もこちらに気づくと小走りで駆け寄ってくる。自分を見つけてこちらに来てくれたのだろうか、エリーゼの表情は自然と緩む。
大尉は無言だが丁寧に袋を渡してきたので受け取ると、中にはエリーゼの好きな店のケーキ。

「わざわざ私のために…?」

コクりと頷く大尉。

まさかのサプライズ、しかも大好きな大尉から。あまりの嬉しさに不安も吹っ飛び、つい涙が出ると、どうしたら良いかわからず大尉は困ったような表情をしている。

「嬉しすぎて涙が出ちゃった。ありがとう!」

まだ涙が滲みながらも満面の笑顔で礼を言うと、大尉は指でエリーゼの涙を拭い優しく微笑み返した。









やっと書けた…!微笑む大尉とか俺特すぎる



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