阿波まとめ | ナノ 節分3:その朝のこと



「鬼はそとー!」
「福はうちー!」

下級生達が庭でわいわいと豆を投げあうのを、石に腰かけて微笑ましそうに見る阿波と食満。そのにこにことした姿に後日「まるで品定めしているショタコンのようだった」という噂が立つとは、今の二人に知り様はない。

「可愛いなぁ…」
「そっすね…」
「そういや、鬼は内って言う所もあるんだってな」
「ああ、聞いたことあります」
「鬼も内、福も内、なんでも来い来いっていうのは豪儀なことだ。まるで学園長先生だな」
「アンタ今さりげなく学園長を貶しただろ」
「ちっこいこと気にすんな。寧ろ褒めたぞ俺は。じゃ、そろそろ五年集めて裏門に集合するか」
「…やっぱり今年もやるんすか、あれ」
「俺達が楽しい。学園長も止めない。今年も続くのは当り前だろう?お前達も妙な怪異に下級生が巻き込まれるのは嫌だろうが」
「だからって、その後とか…」


「嫌だったら俺達を倒して学園長に直訴するんだな、後輩」とにやり笑んだ阿波に、食満は溜息を吐いて答えた。



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