阿波まとめ | ナノ 保健と用具とチョコレート



「リア充爆発しろ」
「ぶっ、ちょ、阿波くん目が本気!」

ストローをがじがじと行儀悪く噛みながら阿波が半眼で睨む先には、この日の為にと女の子逹が気合いを入れて用意したのであろう色とりどりの…チョコレート。ピンクや黄色にきらきらしく包装されたそれの持ち主逹は、ひたすら気まずそうに苦笑するしかない。

「よ、吉野先輩も貰ったんじゃないんすか?」
「そ、そうそう!吉野先輩、面倒見いいし後輩から、」
「幼少期から貰えるのは弟からの一つきり、それも手作りですが何か」
「あ、愛が重い…!」
「ある意味僕らより貰ってますよ…!」
「フォローありがとう涙が出た」

ストライプのマフラーにばふっと顔を埋めた阿波に、おろおろと食満と善法寺が慌てる。それを見ながら爆笑しているのは、ひたすらポテトを食べていた黒部。

「やっぱりイケメン同士がくっついてる相乗効果もあるんじゃない?他の奴らも二人でいるとよく貰うって言ってた」
「イケメン爆発しろ」
「吉野くん、キャラ、キャラおかしい。その本気の目で後輩見るのやめな」
「イケメン爆発したい」
「現代に焙烙火矢がなくて残念だったな」
「俺達的には良かったですけどね」

美濃の制止を聞いているのかいないのか、阿波はマフラー越しにもふもふと呪詛を吐く。なんとも格好の悪い先輩である。
そんな姿をなおも笑う黒部の隣では、食満と善法寺がほっと胸を撫で下ろしていた。



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