おはなし | ナノ
モブのきもち



16年間一緒にモブってたあの子がレギュラー組に盗られてしまいました。もう許すことはできません特に豆腐。い組ぼっちとか豆腐キャラは嫌とか言いやがって。キャラ付けがあるだけで羨ましいよ俺なんてアニメ出演もないんだからな!同じい組なのに存在すら知らないんだろお前!怒って特攻を仕掛けるも、刃を防いだあの子が言います。「誰だか知らないけど、いきなり何するんだよ!」……知っていました分かっていました。レギュラー組になったらモブの存在なんて霞むんでしょうそうなんでしょう。9年仲良くしていた先輩だって、存在を覚えてくれと泣きついてきた後輩だってそうだったんですもの。でもね、それでも信じていたかったんですよ。『ね、名前。ずっと一緒だよ』他愛ない約束でしたが、次々と忘れられていく俺には心の支えだったんです。だって俺も、寂しいんですもの。


「勘ちゃん、今の奴、知り合い?」
「……え、なんで?」
「だって凄く悲しそうな顔してるのだ」
「えー、そんな顔してるかなぁ…?」








「でもなんだか、胸がぎゅうっと痛いんだ」



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