おはなし | ナノ ところで1



全然どうでもいいことだが、私は躁鬱の気がある。
ガッと上がったテンションは花火が消えるように霧散して、あとに残るのは後悔と騒ぎの後始末。
まるで酒に溺れた酔っぱらいのようじゃないか。気分だけで酔えるからアルコール要らず。なんとも便利な体である。


「生きにくい性格」


友人にそう評されたこともある。あれは何時の話だったか、たぶん蟻の行列は何匹から行列と言えるのかと討論していたときだったと思う。
性格に生きにくさ生きやすさを定義付けるものとは何だろう。素直かそうでないかだろうか。そうすると私は確かに生きにくい性格をしているに違いない。


浮わついた気持ちは糸の切れた凧のようにふわふわ空中を漂い、高みから自分の矮小な存在を見下ろしている。
お前など怖くもないわ!私は世界一の無法者である!
胸を張って揚々と遊び回るのだが、一度その小さな器に戻ってしまえばそれら全てを後悔するのだ。何故あのような言動が出来たのか、さっぱり理解ができないと頭を抱える羽目になる。


なんとも卑屈で小者な私は、私を評した友人とその飼い蛇の呆れたような顔を思い出して、また悶えるのであった。





つまり私は嘘吐きである。



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