おはなし | ナノ
ところで3



「お前は本当に駄目人間だな。ジュンコ達を見習え。日々精一杯生きるために頑張っているんだぞ」


うるさい。躁鬱気味の人間に「駄目」とか「頑張れ」とか言うな馬鹿


「朝からそうやって一年ろ組みたいな縦線背負ってごろごろごろごろ…それは怠慢だ。いい加減そんな理由で授業をボイコットするのも食事をボイコットするのも委員会をボイコットするのも止めないか」


授業に出たら自分の存在に絶望するから嫌だし、食事をすれば糧を得るほどの人間かと絶望するから嫌だし、委員会は元々入っていない。無所属の私を無理矢理生物委員会に駆り出してるのはお前じゃないか


「お前はいつも暇そうだから。それにジュンコが懐いてるのだから仕方ない。お前には協力する義務がある」


義務とか責任とか、どうせ裏切ってしまうのでやめてください。私は生きとし生けるもの全てにおいて役に立たないのです


「躁状態のときもウザいけど、鬱状態のときもまた鬱陶しいな、名前は」


ごめんなさい、そっとしておいてください


「人間の中で、特にお前が一番厄介だと思うよ僕は。さぁ委員会に行くぞ」


私もそう思う。だから放っておいて腕を引っ張らないでジュンコさん重いですああレディに失言でしたねごめんなさいすみませんすみません生きててすみませんああああ眩しい眩しい暗闇に慣れた目が焼けます痛いですごめんなさい


「日光を浴びて竹谷先輩拝んでこい馬鹿」








「おほー!」
「おっほぉぉぉ!!」


「名前先輩っていつも元気だよね」
「ね、いっつも楽しそうで羨ましいなぁ」
「生物委員じゃないのに手伝ってくれるしね」
「伊賀崎先輩、名前先輩と同室なんですよね。仲良しなんですか?」


「ああ、嫌になるくらい仲良しさ」



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