さそりのほのお9 ※年齢操作 「善法寺、ちょっといいか」 「木下先生こんにちは!どうしたんですか?」 「お、伊作もいたのか…すまんが用事は姉の方だ」 「はーい。それじゃあ○姉さん、僕もう委員会に行くね」 「ええ、頑張っていらっしゃい。また明日会いましょう」 「うん。○姉さんもあんまり先生に迷惑かけちゃだめだよ?じゃあね」 「…迷惑などかけてないのですが。伊作さんには私がいったいどう見えているのでしょうね?」 「どう見えるって、そのまんまじゃなぁい?毒好きの無表情な変人?ああ、極めつけにどうしようもないブラコンってのも付け加えとかなくちゃね」 「木下先生の姿でくねるのはおやめなさい。とても気持ちが悪いです。それに視線が痛いです」 「ここっていっつもこう。アタシが来るたび、ジーっと監視して。まったく失礼しちゃうわ!見物料取るわよ!」 「変装して侵入してくる相手に監視だけで済んで肝要だと思いなさい。そして木下先生が複雑な視線を寄こしていらっしゃるのでそろそろ着替えなさい」 「はぁい。まったく○はお堅いんだから。ほらこれでいいでしょう?」 「山本先生はそんな下品なしなを作りません。そしてやはり視線が痛いです。お遊びはそこまでにしておきなさい」 「アハッ。それにしてもここの教師は本当に怖いわねぇ。毎回毎回、アタシの変装がすーぐばれちゃうんだもの」 「元々お前に本気で潜む気が無い上に、ここに来ればまず真っ先にあの子を見てから私の所へ来るんです。毎回お約束すぎて注意して見ずとも分かりますよ」 「わざわざ×からの伝言を届けに来たアタシに随分な言い草。…帰りにアンタの大事な弟からかってっちゃおっかなァ」 「伊作さんに何かした瞬間、面を剥ぎます」 「アタシの面がアンタに剥げる?」 「△、分かっているでしょう。お前の面ではなく、お前の可愛い弟の面です」 「…アハッ。嫌ね、付き合いが長いとお互いの弱点が剥き出しなんだもの」 「…お前も大概、どうしようもないブラコンですね」 「アンタほどじゃないわよぅ…っと。あらぁ?アレの愛しい子が来たわ。相変わらずキレーな髪。鬘用にくれないかしら」 「×に燃やされたければお好きになさい」 「×もどうしようもないブラコンよねぇ。素直じゃないけど」 「結局お前も私も×も、同じ穴の狢ということです……こんにちは、仙蔵くん」 「こんにちは、○先輩…と、不破か?珍しい組み合わせだな」 「珍しいでしょうか。よく顔を合わせますよ。そして雷蔵くんではなく、三郎くんの方です」 「変装が完璧すぎてすみません。…先輩、青筋が浮いてますよ?」 「……笑うと一発で分かるなお前は。その締まりのない顔、不破と天地の差だ」 「同じ顔なんですけどねぇ。ああ、そうだ○先輩。学園長がおつかいのついでに胡椒を受け取って来て欲しいそうです。朱色の箱に入ってるそうですから」 「そうですか。伝言ありがとうございます」 「それでは私もそろそろ委員会に行きまーす。仙蔵先輩も早くしないと委員会に遅れて廊下に立たされますよ」 「分かってる!さっさと行け!」 「あっはっはー」 「まったく…!」 「…それで仙蔵くんは私に何か用でしたか?」 「あ、はい。○先輩、昨日は団子をありがとうございました」 「伊作さんが渡してくれたのですね」 「はい。とても美味しかったです。なので是非店の場所を教えて頂きたくて…委員会のお茶請けにしたいのです」 「あら、それは良かった。友人のお勧めの店なのです。買って行け、土産にしろと煩くて。気に入ったようだと伝えれば、彼も随分と喜ぶでしょう」 2011/10/29 01:58 |