うそつき | ナノ



さそりのほのお8



※年齢操作



「伊作さん、口をお開けなさい」
「……やだ」
「伊作さん、そんなに可愛い態度をとられると、どうにかしてしまいたくなるからおやめなさい」
「○お姉ちゃんは、ぼくがきらいなんだ!」
「…何故ですか?」
「いっつも何か盛るし、すぐどっか行っちゃうし…ぼくが『できそこない』だからっ」
「『できそこない』?誰ですか、伊作さんにそんな大法螺を吹いたのは。私の可愛い弟が失敗作でなどあるものですか。むしろ成功です。善法寺家最高傑作です」
「うそくさいぃ」
「あらあら、泣かないでください伊作さん。私は貴方にだけは嘘は吐きませんよ?」
「ひっくっ…きのう、何も盛ってないってうそついたっ」
「それは嘘ではなく修行です。さて。これで涙を拭いて、鼻水をかんで、ああ、ほら可愛い伊作さんです。お姉ちゃんは伊作さんがどんな伊作さんでも大好きですよ」
「ほんとに…?」
「ええ。さぁそろそろ口をお開けなさい」
「…何も変なことしない?お薬盛らない?」
「ええ、ええ。盛りませんとも」
「…あーん」
「はい、どうぞ」
「むっ……あまぁーい!」
「お土産の金平糖です。甘くて美味しいでしょう」
「うん!ありがとう○お姉ちゃん!!」
「この薬の耐性は出来たようですね。さすがは私の可愛い弟です。でも念の為解毒剤を作っておきましょうね」
「うわーんうそつきぃぃぃ!!また盛ったぁぁぁ!!」
「修行です」



「昔はあんなに素直で可愛らしかったのに。ああ、誤解しないよう。伊作さんは今でも十分可愛らしいです。むしろ大きくなるにつれ美しさも出てきましたね。お姉ちゃんは気が気ではありません」
「○姉さん…その手の薬を置いて話し合おう…?」
「警戒心が強いのはいいことですが、そんなに身構えられるとどうにかしてしまいたくなるからおやめなさい」
「○姉さんて本当はやっぱり僕のこと嫌いなんじゃないの!?」

「何を言っているんです。大好きに決まってるじゃありませんか」


2011/10/23 11:55





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