うそつき | ナノ


さそりのほのお7



※年齢操作



「遅くなった」
「ええ、約束の時間から半刻も過ぎてます。呼び出した方が遅刻とは酷い話。とても酷い話です」
「そう怒るな。△はまだか?」
「×を待ってる間に何度か来てましたよ」
「アイツは相変わらず落ち着きがないなァ」
「それが△です。落ち着いたら△ではありません」
「まったくだ。では用件を話すとしよう」



「…ではその妙な動きをする城に気を付けて行動しましょう」
「そうしろ。△は先に潜入して……もう出たのか」
「どうやらそのようです。相変わらず落ち着きがないですね」
「それが△だ。落ち着いては△ではない」
「まったくです。さて、お話も終わった事ですし、私もそろそろ帰ります。愛しい伊作さんが寂しがっていてはいけません」
「お前の弟は存外嬉しがってるんじゃないのか」
「×の弟とは違って、伊作さんは姉思いのとてもいい子です。…まぁ、×の弟も気位が高そうな所は誰かさんにそっくりですが、まだ可愛いものですね。伊作さんには敵いませんが」
「……息災か?」
「直接見にくればいいでしょう。あんなに小さな牙を立てつつ、お前の真似して宝禄火矢を武器にして…いじらしいではありませんの」
「まぁ、そのうち、な」

「遠回りな愛情は、分かりづらいですよ」
「…お前に言われるとはなァ」


2011/10/16 23:59





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