うそつき | ナノ


バレない嘘をついてよ



『悪い、今夜残業になった』

電話越しの声に「ん、わかった。…じゃあまた今度、ん、頑張って」なんていつもとまったく同じ台詞を返して通話を切る。
教師として熱心な彼との約束が駄目になるのはいつものことで、毎回判を押したように同じやり取り。

「でも、今日くらいは違う反応が欲しかったなぁ」

手元には下拵えを終えた料理と小さなホールケーキ。
チョコプレートに書いた『Happy Birthday hansuke』の踊るような文字が、妙に浮いて見えた。


【バレない嘘をついてよ/土井】
title by..「確かに恋だった」


(電話越しにいつも感じる、貴方以外の誰かの気配。いつもは無理矢理でも流せるそれが、今日に限ってどうしようもなく悲しかった。)


- - - -
勿論土井先生は毎回補習で誰かなんては組に決まってるんだけど、○はそんなこと知らないし完全に勘違いしててすれ違い。きっとこの後間男が登場するんだぜと妄想だけ膨らませとく。今更ですが現パロです。


2011/10/07 01:34





×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -