[ 阿波くん放浪記 ] |
■2011/5/26 「吉野、吉野吉野吉野」 「どないした、祭」 「静かだ」 「静かやな。皆出とるけんしゃあない」 「吉野吉野吉野」 「またか」 「静かすぎで怖え。騒いで」 「一人でか」 「うん…った!」 「一人で騒ぐとかそっちのが怖いわ阿呆。ほれ、デコピン第二撃食らいたくなきゃさっさと寝え」 「吉野の暴君」 「体育に比べたらマシや。ちょい奥つめて」 「わっ、」 「吉野母さんが添い寝したるけん早よ寝ーや。ねーんねんころりよおころーりーよー」 「吉野…子守唄似合わねった!」 「うっさいはよ寝ろ」 「…ほんまに寝たし」 隣で静かに寝息をたてる相手の額にかかる髪を払い除けながら、阿波はくすぐったそうに笑った。 まったく、手間のかかる眠り姫だ。 |