「―――!」「、ああ」 今も、同じ二年生だろう男子が教室の入り口で、彼の名前を呼んでいた。ぶつぶつと呟いていた先輩もその声に応じ、席を離れ廊下に向かう。先輩さよならー、といじましげにも二人が言うと、先輩の右肩辺りで片手がひらひら振られた。亮太が時計を見ると、なるほど、もう配膳も終わる頃である。「……っ、て! 給食!」