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黄金色に光る夕日の中で二人の青年はアイスを食べながら、

その夕日を見上げていた。


「なぁアクセル、覚えてるか?」

「あ?」


静かに響いたロクサスの声、アクセルは何が?とでもいいたいような表情で

アイスから口を離した。


「俺たちに約束しただろ」

「何を」


ロクサスは笑みを浮かべると、口を開いた。


「何度いなくなっても必ず連れ帰る…記憶してるか?」

意地悪っぽくロクサスは言ってみせるとアクセルの瞳は見開かれた。

何か愛しいものを見るように夕日を見つめると、小さく笑う。

「親友との約束、なぁロクサス」

「なんだよ」

アクセルはいきなり立ち上がると、笑みを浮かべてロクサスを見下ろした。

「今こそその約束を果たすべきだと思わないか?」

「…はあ?」

「連れて帰りてぇが、それはあいつのためにできない…、なら会いに行こう」

ロクサスは瞳を見開かせると、

小さく笑った。

「……そう、だな」


傍にいると、約束したけれど。

いつも君に触れられるわけじゃない。

溢れて止まらない想いはいつしか抑えられないものへなっていくのだろうか。


「あいつは、今…幸せかな」

「大事なソラといられて幸せだろうが」

アクセルの言葉にロクサスは少し考えると、ロクサスも立ち上がった。

手元に残っていたシーソルトアイスを全て口の中に入れて、息を吐き出す。


「俺、NO NAMEのことは諦められないよ」


たとえ、身体が存在しなくても…

大事な心があるのだから、この想いは一生消えない。


「なんだよ、ソラと修羅場か?」


「そのつもりだ、あんなに大切な子、手放せるわけ…ないだろ」


「どうする?」


「だから、会いに行くんだろ?」


ロクサスの言葉にアクセルはふっと笑うと、力強く頷いた。


「びっくりするかな」


「さぁな」


二人は笑い合うと、時計台から飛び降りた。







叶わぬ願いだってある、けれど叶う願いのほうがきっと多いよ



俺たちの願いが、叶わない願いだとしても



俺たちは永遠に願い続けると思う




どんなに、苦しくても




もう戻れない時間を、あの場所で笑いあった日々を、身体を、




手に入れることができなくても






君が存在しているのだから、






なんどだった会いに行こう






     


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