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風がなびく道の中、大剣を担ぎながら道の奥を見つめた。

小さく息を吐き出すと、光の少女を想う。

隣にいたはずの小さな少女、暖かく笑う少女がいなくて、

切なくなる心はいつものことだったが、

いつまでたっても慣れない。


「NO NAME、」


小さな声で名前を呼ぶ。

その時、声が聞こえた。自分の名前を呼ぶ、あいつの声が。

それはすぐ真上からで、

顔を上げると、会いたかった人が空中から自分に迫っていることに気づく。

「な…っ…」

空から落ちてきているNO NAMEを唖然と見上げながらも、受け止めようと構えた瞬間

自分に大きな衝撃を感じた。

「いったああぁっ!!!」

すぐそばで叫ばれた懐かしい声に顔を上げれば、自分の腕に収まっている栗色の髪の少女が視界に入る。

それはずっと探し続けた人の本当の姿で、

一瞬心臓が止まったような気がした。

息もできないぐらいの空間で、鼓動が小さく動き始める。

「クラウドっ!」

俺を視界に捕らえたNO NAMEは嬉しそうに飛びついてくると、俺を抱きしめた。

伝わってくる暖かい感覚につい、頬を緩めてしまった。

「……あんた、本当にNO NAMEだよな」

「うん!久しぶりっ」

目の前で笑うNO NAMEの笑顔が眩しくて、久しぶりのその笑顔に息が漏れた。

「……あんたは、やっぱり光がふさわしい」

俺の言葉に少し戸惑ったNO NAMEは申し訳なさそうに俺を見上げた。

「あの時はごめんね、」

「謝るな、戻れたんだからそれでいい」

ふっと笑うと、安心したようにNO NAMEはまた笑顔を見せた。




 


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