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「一人で帰れるから、大丈夫」
彼の跡地から帰ってきて、セブンスヘブンを通りかかった時、クラウドにそう言うと、彼は送って行く、と言ってくれたけれどそれを断って、頬を緩めた。クラウドは小さく頷くと、セブンスヘブンに入っていった。その背中を見送っていくと、ガラス越しの窓から黒髪の綺麗な女の人が見えた。目と目があって、自然に頭を下げると、彼女も微笑みながら返してくれた。綺麗な人だなあ、クラウドの彼女かな。なんて考えながら、自分の家まで歩く。

ふと、顔を上げて空を見上げると青い青空と自由に動く雲が見えた。毎日空を見上げては息を吐きだして、私は彼のことを思い出していた。彼が私に空を教えてくれたのだ、

空、だけじゃない

全部を、教えてくれたのだ














喉が痛い、身体中が痛い、

心が痛い、

ふらふらする体を引きずりながら黒い道を必死に歩いた。歩くことでなにかがあるわけじゃないけれど、歩くことで、何かが変わるわけじゃないけど、何かを求めていたんだ。周りの人が奇妙な目を向けながらも、それでも平然と横を通り過ぎてく、時々構ってくる人間もいたけれど、どう接したかよく覚えていない。時々、路地裏で目を覚まして、体中が痛くて、重くて、どうしてここにいるのかも覚えていない。人生とか、そうゆうものはどうでもよかった、ただ・・・何かを、求めていて。何を求めているのかも、わからないのに

必死に、何かを見つけようとしていた。だから私は歩いたんだ。

そんな私を抱きしめてくれたのは、優しい彼だった。黒髪と綺麗な青い瞳を持つ彼は私を見てくれて、家族にしてくれた。

空を知らない、と言った私に笑いかけてくれて、空を見せてくれた

「青いんだ、空って・・・こんなに綺麗なの?」

初めての空に、私はもっと知りたくなった。色を、世界を、







 

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