2/3 セブンスヘブンの仕事は前の仕事と対して変わらなかった。だからすぐに慣れたし、ティファにもこれならNO NAME一人でお店を任せられると嬉しい言葉をもらった。前の仕事と違うのは時間帯がそこまで遅くないこと。お店の開店前にテーブルを吹いていると、階段を下りてくる音が聞こえた。多分クラウドだ。彼は私がここで働くことになって少し驚いていた記憶がある。 「おはようクラウド」 クラウドはこちらに視線を向けると、おはよう、と返してくれた。今日はどこまで配達なのか聞いてみれば結構近場で、複数の配達があるらしい。資料を手にしながらカウンターに座った彼にコーヒーを出せば、笑顔を含んだ、ありがとうが帰ってきて、その笑顔に毎度可愛いと思ってしまった。 「マリンとデンゼルがね今度海へ連れて行ってって言ってたよ」 「海、か」 少し考えたクラウドは仕事が片付いたら、行ってみるか。と言ってくれた、さっそくマリンとデンゼルに報告しないと、きっと喜ぶだろうな。 「じゃあいってらっしゃい」 クラウドが飲み干したコーヒーを受け取って、店の扉を開いて彼を見送るとクラウドは振り返って、小さく口を開く。 「NO NAMEも行くだろ、海に」 「行っていいの?それなら行く行く!」 みんなで遊ぶのは楽しそうだ、マリンとデンゼル達といっぱい遊んであげよう。それにクラウドは小さく笑うと、いってくる、と言って店の扉を絞めた。しばらくして聞こえたバイク音を見送って、また店の開店準備を始めた。 「マリン、デンゼル!クラウドが海に連れて行ってくれるって!」 「本当?!NO NAMEが頼めば絶対連れて行ってくれるって思ってたの!」 「だよな!」 なんだその理由は、と内心思いながら喜ぶマリン達に微笑むと、ティファがお弁当も作らなきゃと言っていたので、私もその日は朝早くから来て手伝おうと思った。 [しおりを挟む] |