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「えっ」

やっと仕事が終わって、帰れる。と思いながらも業務員専用の出口の扉を開くと、待っていました、と言いたげなレノさんの姿に目を見開いた。そういえば、空いてるとか・・・そんなこと言っていたような。息を吐きだして、レノさんを見上げると唇を釣り上げて笑っていた。

「・・・私、疲れてるんですけど」

「じゃあ送っていくぞ、と」

飲みに行こうとか、言われると思っていたから。少しびっくりしながらも、諦めの良さに感心するが、別に送ってもらわなくても構わない。でも断っても色々面倒そうだ。ここはおとなしく従っておこう。隣をゆっくりと歩くレノさんは自由人だ、少し頭を傾けて歩く彼はちゃんと私の歩行速度を合わせてくれている。さすがは女の人を知っている。普通の人ならここできゅんきゅん来るだろうが、まあ・・・本性をしっていれば、それも感じない。

「家どっちだ、と」

「もうすぐなので、ここでいいです。」

わざわざ仕事終わりまで待っていただいて、何もできず送られたのも少し不安だったので、今度ちゃんとどこかに付き合ってあげよう。と思いつつもレノさんを見上げると彼は笑わずに歩みを続ける。

「最後まで送らせろよ、と」

その視線に何も言えなくなって、そのまま頷くことにした。







   

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