2/3 家に帰ってきた時、携帯がなる。着信はレナからで今日は仕事がないから飲みに行こう、とのことだったので、快く返事して家を出た。向かうのはいつもの待ち合わせの場所で、もうレナはそこに立っていた。私の姿を見つけると同時に手を振ってきたので、小さく振り返す。 「どこにいくの?」 「かっこいい人がいる店見つけたの!えっとーセブンスヘブン?!」 セブンスヘブンという店の名前に、かっこいい人とはクラウドのことかと納得する。確かに彼は美形だと思うが、彼の本職はデリバリーサービスであの店で勤めているわけではない。あそこが家だと聞いていたが。まあ、いいか。と思いながらもセブンスヘブンの扉を開けると、そこには前にみた黒髪の綺麗な女の人がいた。 「いらっしゃい」 微笑んだその笑顔に、本当に綺麗な人だ。と実感する。ここにはこの人目当ての人がたくさん来るんじゃないかと思った。カウンター席に二人で座って話していると、彼女に話しかけられた。 「あの・・・ザックスの妹さん、だよね?」 「あ、はい」 それににっこりと笑うと、話はクラウドから聞いていたらしかった。彼女はティファさん。同じ歳ぐらいだと思うので敬語もいらないと言われたので、普通に話すことにした。話せば分かるティファの性格は思った通りの人だった。話は盛り上がって、いい友達になれそうな気がした。レナとも打ち解けたようだし。 「ティファって、クラウドさんの彼女なの?」 レナの突然の一言にティファは小さく笑うと首を振った。 「クラウドは彼女つくらないんじゃないかなあ」 「あんなにかっこいいのに?!」 えー、とため息をついたレナはつまらなそうにグラスに口をつけた。クラウドは彼女つくらないのか、もったいない。と私も思ってしまった、今までいろんな人に好意を寄せられてきただろうに。ティファも頷いた時、店の入口で音がした。同時にティファはおかえり、と放った。レナは小さく、あ、と声を漏らして。私はゆっくりと視線を向けると、そこには噂の彼の姿があった。 彼はこちらに気づかないようで、そのまま店の奥に入っていこうとしたが、ちらりとこちらに視線が向いて、彼の青い瞳と目があった。 「久しぶり」 「なんでここに」 と言いかけてこちらに歩み寄った彼だが、私がレナを見て。飲みに来たの。と言えば彼の足は止まる 「そうか」 それだけ言うと彼はまた店の奥に歩みを進めていってしまった。私が首を傾げるとティファさんはくすくすと笑ってなんだか嬉しそうな顔をした。 [しおりを挟む] |