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「ちょ、すごいびしょ濡れなんですけど、タオル持ってきてジュダル!!」

玄関で叫べば、ジュダルの返事はない。やっぱりな、あいつがタオル持ってくるわけなかった、仕方なく濡れた服のまま家に入り込んで素早くお風呂を済ませた、スウェットに着替えてリビングに入れば彼がソファに座っていないので不思議に思えば、その下のカーペットの上でごろんと寝っ転がっているのが見える。

「寝てやがる」

彼の周りに散らばった漫画を片付けながら、あ、これまだ読んでなかったと思ってソファに座って読んでみることにした。まあ、結末は知っているし、ジュダルが読んだあとに嫌がらせでさんざんネタばらしされたけど・・・。

ぱらぱらと漫画を見ていれば、正しく聞こえるジュダルの寝息に毛布でもかけてやるかと立ち上がれば、ふいに足を誰かに掴まれた。

「ちょ!最悪!」

ジュダルの隣に倒れこむような形になっていて、ジュダルを見ればまた寝ていた。どんな夢みてんだ!夢でも私をいじめているんじゃないだろうな!ため息をつけば、ジュダルの顔を眺めた。すっと伸びた鼻に、端麗な顔つき。イケメンだよ、美男子だよ、でも性格最悪なんで微男子でいいや。

「なに見てんだ変態」

「おまっ、やっぱ起きてやがった!最低だ!ひどいよジュダル!」

「俺の近くにいて気を抜いているやつの方が悪い、そんなんだからお前はよえーんだよ」

「はァ?!別に弱い強い関係ないし?!てかなんで弱くなるの?!一回ボクシングでもやってやろうか!」

やっばい、言いすぎた、ボクシングなんてやったら私は一発でノックアウトだ、顔に拳練り込まれる。丸め込まれるパターンだ・・・。

びくびく怯えながらジュダルを見てみると、彼は起き上がってあぐらをかきながら外を眺めていた。頬に手をつけると面白くなさそうに瞳を細める。

「やんねぇーよ」

その仕草と言葉に少し胸が揺らいだ気がした、そのままじーっと彼を眺めていると不愉快だと思わんばかりの視線を向けられた。

「弱い奴と戦ったってつまんねーからな」









さいですか

   

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