1/3 「また漫画読んでる!友達から借りたやつだから折ったりしないでよね!」 ソファの上で友達から借りた漫画を呼んでいるジュダルは私の言葉なんかスルーしてペラペラとページをめくる。家にある少年漫画も少女漫画も彼はよく見る。ソファで見るから、すっかりソファが彼の定位置になっていた。ゴロリ、と寝っ転がる彼を見下ろしながら、私もその漫画まだ見てないのになあ、と思っていると、台所の上にあった携帯が鳴った。とりにいこうと、足を進ませたとき散らばっていた漫画を踏みそうになったので、避けて足を地面につけようとした瞬間、グキリと足首から音がした気がした。 「いった」 ひねった!と思った瞬間、身体が崩れ落ちていく。とっさに瞳を閉じれば、ジュダルの驚いたような声が聞こえて、どさりと、どこかに倒れ込んだような感覚を感じる、目を開けばすぐ目の前に見えたジュダルの顔に、目を見開く。 「なにしてんだよ」 「・・・え、っと」 ソファに寝っ転がっていた彼の上にうつ伏せに倒れ倒れこむような形になってて、いっきに血の気がひいた。やばい、殴り飛ばされる。謝ろうと顔をあげれば、彼の顔は歪んでも、怪しく笑ってもいなくて、ふいに伸ばされた手が、頬に触れた。 「え」 なに、この状況と考えていると。彼の手が離れて再び、頬に触れようとした。だがさっきとは勢いが違う。その瞬間、ぺちん!と音が聞こえて、彼に軽く頬を叩かれた。 「邪魔だろうが、どけ」 「あ、ごめん」 あれ・・・殴り飛ばされなかった。軽く叩かれただけ・・・、彼もやっと私の優しさに気がついたのかな。君を養っているのは私なんだからね、殴ったりしちゃいけないよ。っていうか仮にも女の子なんですけど。ま、いいか、と思いながら携帯をとるために、台所に向かった。 変なの [しおりを挟む] |