3/3




ミンミンうるせえな、でもこの暑さは嫌いじゃない

そう言って彼は瞳を閉じて、静かに眠っていた。昼食の手伝いもせずに、のんきに寝ている彼をたたき起こそうとしたけれど、伸ばした手をひっこめた。あまりにも綺麗な顔をしているから、そんな気も失せてしまった。そんな彼と過ごした、夏が、今はすごく苦しい

治らない傷から、血があふれるように、涙が溢れる

夏が来るたびに、私は涙を流すでしょう。また彼がやってくるのではないかと、私は期待するから、同時に悲しみと苦しみが溢れ出して、私の首を絞めるから。

夏が来るたびに、胸が張り裂けそうになるでしょう。家に残った彼の面影が胸を苦しめる、花火も、一緒に歩いたあの道も

夏が来るたび、彼を思い出すでしょう。もうやってこない、彼を、思い出すでしょう。とてもわがままで、自分勝手で、最低で、でもどこか優しい彼の笑顔を





思い出すでしょう









それでも夏はやってくる

   

[しおりを挟む]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -