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「風邪ひいたのでご飯自分で作ってね、冷蔵庫の材料で」

「俺が作れるわけねえだろ。」

まじかよ、朝っぱらからジュダルにタックルされて起きれば、身体がだるかった、熱を測れば予想通りの体温で、顔を歪めた。布団を顔まで被ってジュダルの顔を見ないようにして、絶対嫌だといえば、しばらくしてジュダルの声は聞こえなくなった。あれ、自分で作りにいったのか・・・成長したじゃないかママ嬉しい。そのまま瞳を閉じて眠れば、しばらくしてゆっくりと瞼を開けた。

「てめぇ起きろ。」

「・・・今度はなんでしょうか」

「これをむけ」

差し出されたのは真っ赤なりんご、まじかよ。しょうがないな・・・と思ってジュダルからナイフを受け取ればシャリシャリと皮を向いて、小さく切ってお皿に入れていく、全部切り終えたらジュダルにお皿を差し出せば、それは押し返された。

「え?」

「いらない」

待てよ!病人にりんごむかせておいていらないだと?!甘ったれが!ジュダルを甘やかしちゃいけないってのに

「お前が食えよ、何も食ってないから」

そう言い残してパタンと扉を締めて出て行った。なんか優しくないですか、どうしてだろう、不思議。でも私がりんご剥いたんだけどね。ジュダルが置いていった皿の中にあるりんごを一口食べてみれば、シャリシャリしていて、おいしかった。そんなにたくさんはいらないけれど、りんごって美味しいと改めて感じた。

「・・・ほんとに、美味しい」

りんご、そんなに普段食べなかったけれどなんで今日はこんなに美味しいんだろう、胸の中で破裂しそうになる何かがうごめいて、なんだかくすぐったい、同時に少し悲しい気持ちになった、温かいスープに冷たい水をいれたような感覚をうっすらと感じて、なんだか変な気持ちだ。









りんごが美味しい

   

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