2/5 「どうして、春に会おうと思ったの」 「やっと会えるようになったから」 目の前で私を見下ろす、優山の瞳は予想以上に鋭かった。彼が怒るのは分かっていた、私も彼も、同じだから。でも私は会いたかった、春に会いたかった。 「俺だけじゃ寂しいの?」 優山の手が頬に触れた、思った以上に冷たかったその手を握れば、優山に引き寄せられる。寂しいわけじゃない、足りないわけじゃない、そうゆうんじゃない。 「わかってるよ、NO NAMEが思ってること」 優山の手が私の頭をなでると、また力強く抱きしめられる。 「・・・大丈夫だよ優山」 「しょうがないな、まったく」 待ち遠しいのか、怖いのか すこしわからない [しおりを挟む] |