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扉を開けば、暗い部屋が広がった。そしてその部屋のベットの上でこちらに背を向けて寝ている彼の姿があった。そこだけ雰囲気が重苦しく、怖い。彼がどれだけ私を嫌っているかなんて、一瞬で分かる。


「何しにきやがった」

「会いに来たんだよ」


重くて、私を嫌うその声は前とは変わっていた。前はもっと、優しく私を呼んでいたのに。当たり前だ・・・当たり前なことをなぜ何度も繰り返し考える。ハルに近づけば、そのまま上から眺めた


「帰れ、今すぐ出て行け」

「黙れ」

ハルの声を一瞬でやませた私の低い声、久しぶりにだした私の裏の声に彼の肩がびくりと揺れた。その肩にゆっくりと触れれば、随分と冷たいような気がした。


「春、本当に会いに来たんだよ」

随分と大きくなったな、彼は。肩幅も全然違う、天然パーマな髪は変わっていないけれど。黙っていた彼の手が伸びると、私の腕を掴んでひきよせる、反応ができなくなった私はベットに押し倒されれば、そのまま上に乗りかかった彼を見上げた。

「お前が俺に・・・?ふざけてんのか・・・」

「ふざけてなんかないよ、ちゃんと話したいと思ったの」

「何をだよ・・・お前が俺を・・・」

ポタリと落ちてきた雫にイライラした。なんで泣くの。本当に悪者みたい。こんな自分にイライラする、彼を泣かせている私にイライラする。手を伸ばして彼の頬に触れれば、そのまま彼の唇に自分の唇を落とした。目を見開いた彼は私を押し返そうとするが、それを拒むように私は何度も何度も行為を繰り返す。

「仲直りしよう春。これでチャラね。」

「なに言って・・・って、なにしやがる!」

「貴方が昔、ちゅーしてって言ってたから」

「ガキの頃の話だろ!!」

「別にいいでしょう。双子なんだから、」

「・・・まさか家族的な理由で優山とも・・・、」











ああ、甦れ、昔の記憶

   

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