3/3 学校のチャイムが鳴ってSHRが始まる頃、隣のシズクの声が聞こえてきた。 「ハル、この前優山かと思った人、ハルのお姉さんだったんだね」 「な、なんで知って」 「昨日会ったの、双子なんて知らなかった」 そりゃそうだ。話してないから、話せるかよ・・・あんなやつのことなんて なんで今更、ここにきたのか 疑問で仕方ない、嫌になる。優山と同じだ。邪魔しにきたのかよ。 教室の扉が開いて、教師が入ってくる足音と、もう一つの足音。そしてざわつく教室に不思議に思い顔を上げれば、目を見開いた。 「今日は転校生を紹介しますっ」 「吉田NO NAMEです。よろしくお願いします。訳あって疎遠でしたが、吉田春の双子の姉です」 一気にこちらにみんなの目線が集まって、身体が固まった。 「吉田に双子の姉が?!確かに似てる!てかチョー美人!!」 「ハル君なんで教えてくれなかったんですか!」 うるさい・・・うるさい、うるさい。鼓膜を支配するみんなの声に、眉を寄せた どうでもいいだろそんなこと。 「ちょ、ハル?!」 教室を飛び出して、廊下を走る。階段を上って、屋上に出ると、荒く息を吐き出した。 「・・・なんで」 そして怒りでもない苦しみでもないと息が溢れ出した 涙腺からこぼれ落ちる [しおりを挟む] |