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「君と君の家族は、ヴァンパイアに襲われたんだ」

「・・・・・・家族、も?」

理事長さんの表情からその“家族”はもういないことを感じた。なのに涙も、悲しみも沸き上がらない。だって何一つ覚えてないんだから、家族がいたことでさえ、何も、

「ヴァンパイアのことは分かる?」

こくりと頷くと、理事長さんは瞳を細めた。変だ、私は変。ヴァンパイアの存在は知っていて、人間との区別もついているのに、肝心なことは思い出せない。本当に変なの、

「じゃあ、君を襲ったヴァンパイアのことは?」

「わかります、もう忘れられないくらいに」

それは呪縛のようなもののようで、首元に残っているいがして。

あの時のヴァンパイアはとても美しかった、そんな気がする。わかるのは、他のヴァンパイアとは違う存在

「わかってますよ、今の自分が違うことぐらい」




あの時、私を襲った彼は、他とは違う。濃くて、濃くて、濃すぎるような威圧感と、美しさを持った、ヴァンパイア。








純血種

   

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