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「じゃあ、すぐに帰ってくるから」

ベットに横になっている私を見下ろして琉生は小さく笑って見せた、彼の短い髪に手を伸ばして触れれば柔らかい髪が気持ちよかった。琉生が私の手をとって唇を寄せると私は瞳を閉じた。だけど痛みはなく、柔らかい感覚だけを感じて瞳を開くと琉生は顔を近づけた。そして触れる唇と唇、再度瞳を閉じれば握り締められた手がなんだか暖かかった。

「僕はね、血だけを求めるヴァンパイアにはなりたくないんだ」

「ならないよ、琉生も私も」

それに微笑んだ琉生だったけれど、なんだかその笑顔に苦しくなった。私たちはヴァンパイアだから、こうゆうことができる。もしも人間であったなら、私たちはずっと一緒にいることなんてできない、触れ合うことも許されない。

「NO NAME、僕は怖くなるんだ君が離れていってしまいそうで」

「離れない、一緒にいるって言ったよ」

安心させるように琉生を抱きしめるとくすりと笑った琉生は小さく謝ってきた。

「ごめん、違うんだ。僕が願うのは君の幸せであって、僕の幸せじゃない」

「どうゆうこと・・・?」

綺麗な瞳が細まると、琉生は私から離れて小さく息を吐きだした

「客人が来てる・・・僕はもう行くから君が出迎えてくれるかな」

「客、人」

そして微笑んだ琉生の表情はなんだかいつもとは違っていた







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