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じわじわと身体の中でうごめく何かが、苦痛を生み出す。絶え間無い苦しみに、熱くなる身体、彼の首元から埋まっていた牙を抜くと、ドクンと心臓が大きく跳ねる。崩れ落ちる私を彼が支えると、彼の瞳が見えた。美しい底光りする瞳を朦朧とした意識の中眺めていると、彼は小さく笑ったような気がした。

「君も、同じ瞳を持っているんだよ」

その声は遠のく意識の中に埋もれていってしまった。















「NO NAME、僕たちはずっと、一緒なんだよ」

目の前で小さく笑う小さな少年、茶髪のクセのある髪、大きな瞳の大事な、彼。手をつないで、庭で遊んだり、おしゃべりしたり。誰よりも大切で、大好きだった彼。父と母は共に玖蘭のもので、従姉妹が存在することを知っていたが、理由があって会うことは許されなかった。

玖蘭に生まれた双子の純血のヴァンパイア、それが私たちだ。














目を覚ますと、そこは見慣れない天井だった。豪華な内装に、広いベットに横たわっていた私、すっと誰かの手が伸びてくると私の頬を撫でた。小さい頃から好きだった手だ、その先に見える、ベットに座る彼の姿に私は頬を緩める。

「琉生」

彼の名前を囁けば、琉生に抱きしめられた。懐かしい、温もりと感覚に涙が出そうになったけれど、こらえて彼を抱きしめ返した。聞きたいことがたくさんある。

「どうして・・・どうして私の記憶を消したの?!」

「父さんと母さんが決めたことに僕は逆らえなかった、」

あの日、お父様とお母様は殺された。最後の言葉も、何も聞けずに、私は琉生の力で人間にされ、ハンターの家へと預けられた。それから琉生がどうしたのか。誰が両親を殺したのか、何も・・・知らない。

「NO NAMEのためだ。この危険な世界ではなく、人間として生きて幸せになってほしいと思ってた。でもそれを変えてしまったのは僕だ」

彼との身体が離されると、琉生は眉を寄せて、私を見ようとはしなかった。彼が消えてしまいそうで怖い、彼が私の前から、いなくなってしまいそうで

「たった、14年間の時間が、永遠に感じた」

だから彼は私を再びヴァンパイアに変えた、だが自分の間違えに気づいた琉生は再び私と離れるが、再開した私は彼を望んだ。純血種に戻った私は、これから彼とずっと、一緒にいる。絶対、離れない。

「約束して、ずっと一緒にいるって」

零との約束も、ちゃんと守ってもらう。彼にはずっと生きていてもらわなければ、真実を知るために、この狂った世界を、知るために











血脈の中に

   

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