2/3 私を変えた、純血種 知りたくないといえば、嘘になる。知って何かしたい・・・?私のレベルE化を抑えたい?彼に会えば、彼の血を貰えるとは思ってない。だから私に待っているのは死だ。いや、それが私の望むことであって、零に私は殺して欲しいだけ。会ったって、何も変わらない。 何度もフラッシュバックする彼の姿に、疑問を重ねて。彼は誰だといつも問いかける。 「あ」 顔を上げれば、私に気づいたかのような支葵先輩の姿があった。隣には莉磨先輩もいて。支葵先輩には正直会いたくなかった、正直彼の行動も全て、よくわからない。理由は教えてくれたけれど、納得なんかしていないし。遊んでいるようにか見えない。 「ちょうど良かった、支葵と踊ってあげてよ」 そう言って歩いて行ってしまった莉磨さんの後ろ姿を見つめて、支葵先輩に視線を向けると、両手をあげる。 「嫌です」 「・・・即答」 支葵先輩はたしいて反応せず私と同じように壁にもたれ掛かると、息を吐き出した。少し疲れているように見える、一条先輩に付き合わされて人間の女の子たちと踊っていたからだと思うけれど、そろそろ飽きているような表情を浮かべて、私を見た。 「何ですか、」 「・・・ちょっと」 少し考えると、彼は私の腕を引いて、建物の外まで出た。どこまで行くのか、抵抗することも無駄だろうと考えて何も言わずにいたけれど、さすがに人気のない寮近くに連れてこられたら、疑問にも思う。 「なんで日の寮に行くんですか、」 「あんたの部屋に行こうと思って」 「なんでですか、やめてください」 本当にわからない。この人は自由すぎて、何も言えない。 「それに私理事長宅の部屋なんでこっちじゃないですけど」 「・・・早く言ってよ」 不愉快な表情を浮かべた支葵先輩、そして浮遊感を感じると同時に抱き上げれているのだと気づく。目を見開いていれば。遅いから、なんて言われる。どうして、こうなるの。一瞬で理事長宅へたどり着くと、なれているかのように家に上がり込んで私の部屋を探し出した。勝手に部屋を開けて、私の部屋に入り込むとベットに倒れ込んだ。幸い今日は理事長は舞踏祭のほうにいるからここへは戻ってこない、こんなとこ見られたら怒られるじゃすまない気がする。私だってこの人を追い出すことは不可能に近いのに。 理不尽な彼 [しおりを挟む] |