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「支葵、先輩」

バチリと、支葵先輩の指先に火花が散った。ハンター用の武器に触れて、何もないはずがない。支葵先輩は私を見ると、私の視界は反転した。なんで抱きかかえられているの、私の指先から離れた血薔薇銃を零は受け取ると、支葵先輩を見た。

「この風紀委員借りる」

「ちょ・・・、」

浮遊感を感じると、すぐにナイトクラスの寮のテラスにたどり着く。そのまま解放されることなく支葵先輩の部屋であろうところに連れて行かれると、ベットに下ろされる。すぐに起きあがれば、支葵先輩の手が頬に触れた。冷たい。

「・・・なんのつもりですか」

「それは、こっちの台詞なんだけど」

そんなこと言われる筋合いない。どうして邪魔したの、どうして。そんな思いでいっぱいになる。だってそれは私が罪を犯した被害者が目の前にいるから。彼がヴァンパイアだろうと関係ない。私は彼に牙を立てた、同じことなのだ。それがどうしても、嫌なんだ。

「迷惑なんだ、ああゆう行為」

ギシリ、と先輩に肩を押されれば、彼は私を覆うように上に乗りかかる。私の腕をつかめば、不愉快そうに見下ろした、なにが、迷惑なの。

「私こそ、迷惑です。」

迷惑だ、迷惑で仕方がない。ゆっくりと先輩の顔が近づくと、唇に柔らかいものが触れた。前にもされた、心臓が鼓動を刻み始める。どうして彼がこんなことをするのかもわからない。わかりたくない。ゆっくりと離されれば、鼻が触れるか触れないかのところで彼は囁いた。

「名前、なんだっけ・・・」

「・・・・・・NO NAME」

彼は再度私の名前を囁くと、首元に唇を寄せた、そして冷たいものが首元に触れると、瞳を見開く。鮮明に蘇ったあの、時の記憶に息がつまりそうになる。思い出してしまいそうで思い出せない。ただ、怖い。それだけだった。小刻みに震える私を先輩は首元から牙を離して抱き寄せると、小さい声が聞こえた。

「俺があんたに向ける感情、わかる・・・?」

ひどく、優しい、優しい抱きしめ方をする。やめてよ、そんなふうに優しくしないで、求めてしまいそうだ、乾ききった心が、水を求めるように、満たされたくなってしまう。

「・・・は、い」













嘘だといえずに

   

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