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「・・・海斗が、お前の兄・・・?」

「兄弟子なんでしょ、知らなかったの?」

「ああ・・・」

初めて知ったようで、零は少し驚いていた、だがそれよりも先に私の変化に気づいたのか、彼の目線は痛い。見回り中なのに、私に張り付いては離れてはくれない。きっと本当のことを言うまで離れてはくれない。

――お前、誰かの血を・・・

私はそう零が切り出してくれるのを待っているのかもしれない。そしたら私は彼に殺されるだろうか、銃で心臓を貫いてくれるだろうか。自分で自分を殺す勇気がない私は人に頼っては、その人を一番傷つけることする。零が私を殺そうとしないのは、彼が優しいから。そんな彼を私は一番苦しめようとしている、でも・・・どうか許して欲しい、零。

「・・・零」

小さく零に語りかけると、私は彼を見上げた。立ち止まった零は眉を寄せると、瞳を閉じて、唇を動かす。

「・・・・・・お前との約束は果たせそうにない」

零の吐き出した言葉に唖然とした。どうして、どうして零。叫びたくなって仕方がない。こんな私は地上にいてはいけないんだよ、先輩の首に牙を立てたとき、血が美味しくて仕方がなかった。我に返ったとき、自分の口元からこぼれ落ちた赤いものが苦しくて仕方がなかった。私は、とうとう、自分を無くしてしまったのだ。いつ、またあんなことになるかわからない。

「零・・・、果たせるよ、貴方は約束を果たせる」

「・・・俺は、お前を殺せない、俺も同じだ。同じ罪を背負っている。」

「違うよ、貴方は・・・自分を抑えられるよ。絶対。」

だから優姫が貴方の傍にいるんだ。分かってる、貴方と彼女は深いところで繋がっていて、とても切ない糸で繋がってる。それがこれからなにに変わろうが、関係ないだろう。
零の胸元から血薔薇銃を取り出せば、ジャッチメントを取り出して、自分の頭に向けた。その引き金をひける勇気があれば、今までどんなに楽だっただろうか。でも・・・これで、私は楽になれるのだとしたら、私はその引き金をひけるだろう。

「おい、待て!」

零の手が伸びる前に血薔薇銃に触れた、白い指先。そして響いた声の先に視線をおくった

「俺の行動の意味、なにも・・・分かってないみたいだね」










時間を止めた、彼の声

 

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