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「・・・やめておいたほうがいい」

「そんなこと今更言われても」

編入して初めて一日の授業を抜けた後、私に待っていたのは風紀委員の仕事。仕事内容は優姫と零に聞いてと言われたが、優姫は補修を受けている。零とお願い。と言われて教えてもらおうと思ったが、零の顔つきはいいものではなかった。

「俺たちの仕事は、アイツらを見張ること。」

アイツら。この学園に入った時から少しずつ感じていた気配。顔を歪めせると、同じような顔をした零。ナイトクラスとディクラス。ナイトクラスが普通ではないことぐらいわかっている、年齢制限のないクラスで、優秀すぎる人々が集う。それを見張る、なんのために。

「アイツらは全員ヴァンパイアだ」

心臓がドクンドクンと大きく脈打つ音が聞こえた。ヴァンパイアになりきれない自分よりもっともっとちゃんとしたヴァンパイア。それも貴族。零の話を静かに聞いてれば、零の話が止まる。そしてさっきまでとは比べ物にならないくらいの威圧感を放った彼に、瞳を細めた。

「そのヴァンパイア共を従えているやつが一人・・・・・・」

その人の正体は聞かなくてもわかった、それは零と私を変えた者と同類の者。零は怒りの中の怒りを体全体から放っているけれど、自分はそれができなかった。怒り・・・、私はヴァンパイアになったことを、どう思っている・・・?私を変えた者をどう思っている・・・?なぜ、恨めない・・・?

私を変えたヴァンパイアのことはちゃんと覚えている、美しすぎるぐらいの容姿を持った彼なのに、その瞳は切なさばかりを帯びていたような気がして。

なんだか胸が苦しくなる






零れ落ちるのは怒りではないなにか

 

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