■ 0202
「シン、いいんですか」
「ああ、問題ない。」
二人が出ていった部屋の中、ジャーファルのため息混じりの声が自分に向く
「…あの少年、」
「ああ、冬馬の方だろう。俺も感じたさ、ビリビリとね」
シャルルカンが二人を疑った時、少年の言葉と向けられた瞳
「あの少年、シンさんに殺気バリバリでしたね」
マルスースがぼそっと吐いた言葉に思わず苦笑してしまう。
「ああ、でも俺を殺す気はないだろう」
「あの子を守ろうとして、自然と出ていた殺気、というのが正しいですね」
「素質十分じゃないか」
笑顔を浮かべると、扉をノックする音が聞こえた、入ることを許すとヤムライハが扉を開けて入ってきた。
「どうした」
「先程の二人のことなんですけど、あの二人、落ちてきたのに無事でしたよね」
「ああ、そうだな」
「一瞬ですけど、あの少女から防壁魔法が発生しているのが見えたんです」
なるほどと頷くと、ジャーファルに笑いかけた
「どうだ、有望な新人が入ってきたじゃないか」
素質に満ちた二人がやってきた
この国にどう尽くしてくれるだろうか
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