■ 0103

「……あの、ここは…どこでしょうか?」

助かった、とりあえず命は助かった。なぜ無事だったかは知らないけど、良かった

と胸をなでおろす暇も無かった。

気づいたら私たちを取り囲む、謎の人たちに目が点になる。

「…ここはシンドリアだ、お前たちは何者だ?」

「何者?!えっと…人間です、普通の…ただの…本当に一般的な…」

貴方たちこそ何者でしょうか…。

なんて聞けるわけない、ここはきっと彼らの国で、私達は多分侵入者。

だからみんな槍やら剣やら構えているのだと思う。

え、てかここどこ。シンドリアってどこですか!

「どこから来た」

「…日本です、あの…私たち別に怪しいものじゃないんです、視界が真っ暗になったと思ったらここの真上にいて、地面に向かって落ちていまして…私たちもわけがわからないんです…」

本当なんですよ、プリン様の怒りをかってしまったから。

「信じられる証拠は?」

小麦色の肌の人が、私たちを睨みつける。持っている剣の光が怖い、もしかして殺されてしまうのだろうか。

心臓がドクン、ドクンと脈打っていく、私たちを取り囲む人たちの目線が怖くて、仕方がない。

冬馬が一歩私の前に踏み出すと、平然とした顔で口を開く。

「ない。でも俺たちは嘘をついていない」

「…そうか、君たちは怪しい者ではなさそうだな」

「シン!簡単に信用するのは…」

「大丈夫だろう、とりあえず中にはいろう」

偉い人らしき人が笑顔を向けると、私たちに手招きした。





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