■ 0505


「あーまじいってぇ・・・お前最低だわ、死ね。いや殺す」

「うるさい、のんきなやつのほうが悪いだろ」

あの穴から落ちて、落ちる!と思ったが自分の重力を操作すれば簡単に着地できた

便利なもんだ。

それで上には戻れなかったから、しばらくじっとしてようとしたらなんだか眠気が・・・

心地よくて心地よくて、そしたら冬馬にフックパンチくらった

ありえない、女の子に。そう言ったら、誰が女の子なんだ?いないけど?とか言われたので更に機嫌が悪くなった。

「あー、またかよ」

地下に来てから、見つけた道を二人で進んでいたら、度々兵士が現れて、本当に不愉快

「囲まれてるし、お前のせいだ」

「なんでも俺のせいにするな」

冬馬がさっきみたいになぎ払っているが、キリがない。

何百体はいるであろう兵士の数、すっと前に右手を差し出すと、手のひらを開いて

下に振った。

「ダイ・エットシテモツズカナ・イサー!!!」

「・・・」

NO NAMEがそう叫ぶと兵士たちの足元がどんどん沈んでいく、身動きの取れなさそうな兵士たちに上目遣いにNO NAMEが笑う

「ぎゃははっははは!!!!!お前たちの体重重くしてやったわ!せいぜいダイエットするんだな!」

「・・・趣味悪・・・」

「うるさい。あー疲れた、もう無理。」

冬馬が息を吐き出した瞬間、当たりは真っ白になる

まぶしすぎて瞳を閉じて、また開くと、あたり一面金色に染まっていた

「わ、金だ、金属だらけ」

「迷宮攻略を認めよう」

「「?!」」

響いた声に冬馬とNO NAMEの視線が集まった、その視線の先には先程の男が立っていた

「なにあの美男子、レアだわ」

金髪に眼帯なんて萌えポイント高得点!

「攻略・・・?いいのか」

「ああ、俺が求めていたのは仲間を守れる強さ、力より仲間を選んで正解だ、よかったな」

男の視線がNO NAMEへと向くと、男は小さく瞳を細めた。

「・・・・・なんでしょう、か?」

「いや、なんでもない。とりあえず、攻略を認める。」

男の周りを青い光が覆うと、それはみるみるうちに大きくなっていく

「っ・・・でかっ」

青い光が消えると、この部屋の天井に届くくらいの大きさになった男

さっきまでの人間の姿とは違い、鬼のような角が生えている

「俺の名はオーガ、偉大なるソロモンから生み出されしジン、お前の名は?」

冬馬の方へ視線を向けたオーガ、に冬馬は小さく囁く

「・・・冬馬」

「冬馬よ、守るべきもののために、お前が王となれ」

オーガがそう言った瞬間、オーガは光につつまれ、小さくなると冬馬の耳元へ飛んでいった

「あ、ピアスに宿ってるみたいだよ・・・なんかマークついてるし」

「剣じゃなくて、ピアスか・・・使いにくそう」

元々冬馬が身につけていた長方形のピアスにジンはやどり、一段落だ

重たい音を立ててあいた扉からは外の明るい景色が広がっていた

「出られる!!」

「ああ」



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