■ 0504



「っ・・・」

長い、落ちてからたいぶ経つのに、まだ底が見えない。

頭の中で回るNO NAMEの姿、そして浮かんださっきの男の言葉。

“強さを求めるなら、あの娘は要らない”

違う、違う、違う、違う

「俺はNO NAMEを守るために・・・力が、欲しいんだっ・・・!!」

あいつを守れずに手に入れた力なんて要らない

あいつを、守らなければ

守るんだ






「・・・ここどこぉ?ママは?パパは・・・?」

「わかんない、でも大丈夫だよ」

「いないよぉ・・・NO NAMEたち、まいごになっちゃったんだぁっ・・・!!」

「なかないでよ」

「だってぇっ」

「だいじょうぶ、ぼくがNO NAMEをまもるから」

「え?」

「ママとパパのつれていってあげるから」




ぼくがまもるから
俺が守るから





「約束、したんだっ!!」

底が見えた、剣を壁に突き刺して、地面に落下することなく飛び降りる。

思ったより明るいこの場所、辺を見回すと横たわるNO NAMEの姿を見つけた

「NO NAME!!!」

ぐったりと瞳を閉じたNO NAMEの首元に触れようとしたとき、

聞こえた声




「・・・ぐー・・・・・・」



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