■ 0405
「ここに来てからまだ三ヶ月ですよ?こんな短期間で迷宮に行かせるなど」
横でため息をつくジャーファルに笑いかけて、目の前の資料に目を通していく
「二人とも十分な実力を持っている、足りないのは経験と実践だ」
「…実践、ですか」
「特に、冬馬の方はジンを手に入れれば、もっと成長する…今のままではもったいない」
昨日、報告にこさせたヤムライハとシャルルカンによると、二人とも十分な力を出せるようになったということ
やはり足りないのは、実践。二人はもっともっと強くなる。
そう言って迷宮に行かせることすすめていた、アラジン達も一緒に行かせることも考えたが、それでは冬馬の力を発揮させることができない。
「まだ、二人を疑っているのか?」
ジャーファルの顔が強ばると、ふっと息をはいてこちらを見た
「いいえ、そこまでではないですが、完全に信用してるわけではありません」
「お前っていうやつはー!」
「しょうがないでしょう、昔の影響です、あんな現れ方をしたのですから」
「まぁ、当然だが、二人はいい子じゃないか」
「はい………てか、なんかオッサンくさいですよ」
[
prev / next ]
back