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「……NO NAME」

俺は馬鹿なんだ、もういない彼女の名前を呼んで、海に来て、

でも、俺には見えるんだ

黄金色に輝く、NO NAMEの笑顔が。

瞼を閉じれば、視界は暗くなる、また開けば黄金色の夕日が消えかかっている。

そして目の前に見えたのは、大切なNO NAMEの姿。あの時とかわらない、姿で笑ってる。

「クラウド」

自分の名前を呼ぶその声が静かに響く、

「俺はあんたとずっと一緒にいたいんだ」

頷いたNO NAMEが伸ばす手をとって、海に向かって歩く。

「一年に一回だけ、そう決めていたのにな」

海にくれば、彼女に会えた。くだらない幻覚だとティファは言っていたが、

俺はそれでよかったのかもしれない。

「あんたのいない世界なんて、くだらなすぎて」

切なすぎて、苦しすぎて、

繋がれた手は冷たかったけれど、あの笑顔は必ずそこにあった。

「NO NAME、あんたを好きなんだ」

あの時言えなかった言葉、もう苦しまなくていいよな

だんだんと自分を侵食する海水、そしてゆっくりと視界は暗くなった。




永遠の地平線







   

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