* 4/4 「……NO NAME」 俺は馬鹿なんだ、もういない彼女の名前を呼んで、海に来て、 でも、俺には見えるんだ 黄金色に輝く、NO NAMEの笑顔が。 瞼を閉じれば、視界は暗くなる、また開けば黄金色の夕日が消えかかっている。 そして目の前に見えたのは、大切なNO NAMEの姿。あの時とかわらない、姿で笑ってる。 「クラウド」 自分の名前を呼ぶその声が静かに響く、 「俺はあんたとずっと一緒にいたいんだ」 頷いたNO NAMEが伸ばす手をとって、海に向かって歩く。 「一年に一回だけ、そう決めていたのにな」 海にくれば、彼女に会えた。くだらない幻覚だとティファは言っていたが、 俺はそれでよかったのかもしれない。 「あんたのいない世界なんて、くだらなすぎて」 切なすぎて、苦しすぎて、 繋がれた手は冷たかったけれど、あの笑顔は必ずそこにあった。 「NO NAME、あんたを好きなんだ」 あの時言えなかった言葉、もう苦しまなくていいよな だんだんと自分を侵食する海水、そしてゆっくりと視界は暗くなった。 永遠の地平線 [しおりを挟む] |