* 2/4 「ねぇティファ、どうしてクラウドは毎年海を見に行くの?」 セブンスへブンのカウンターのイスの上でマリンは不思議そうに顔を傾ける その話に興味がありそうな顔でデンゼルも首を出した。 ティファは少し困ったような顔をしたが、どこか遠くを見て、口を開いた。 「…クラウドは、大事な人に会いに行ってるのよ」 「本当に?もしかしてクラウドの恋人?!」 「…そうね、」 「でも、なんで一年に一回しか会わないの?」 疑問そうに顔を歪めたデンゼルは近くにあるオレンジジュースを飲み干した。 ティファは瞳を細めると、テーブルの下の方に置いてある写真立てに視線をうつす。 自分とクラウドと“彼女”が写っている写真だった。 古い、写真に成り果てた、あの時の思い出。ティファとクラウドの間で幸せそうに笑う彼女。 「一年に一回しか、会えないから」 「…なんで?」 その質問にティファは答えなかった、ただ遠くを見つめて、瞼を閉じる。 「私…なんだか怖いな」 クラウドがどこか遠くにいってしまう気がして [しおりを挟む] |