俺らの時代 | ナノ



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「解散!気をつけて帰るよ!」

みんなが解散して、帰り道を一緒に歩く中。一人、青ざめた顔でいる。そりゃそうでしょうが、なんであたしは男になってんの。いや待て、希望を持て。まだ、まだちゃんと見てないから・・・視線をズボンから外して、ため息をつくと田島が肩を組んでくる。おいおい、幸せだぞこれは。ありがとう、田島。嬉しいです。

「家はどこなん?俺はここー!!そういえばお前俺の隣に越してきた家の苗字一緒だよな!」

「え」

田島がその家を指差すと、いかにも新たしく立ったような家がそこに立っていた。苗字は確かに自分の苗字と同じ。別によくあることなのだけれど、ここが自分の家っていう感じしかしない。なんでだ。てかあたしの家ってどこですか。くそ、あのオッサンくそくらえ。多分、あいつのことだから家を用意してくれてると思うんだけどなあ

勝手に家の扉を開けて中に入ると、田島も変な顔しながらも一緒に入ってきた。すると広いリビングが広がる。家具がそろっていてシンプルな家だ。テーブルになにかあったので、見てみると、紙と財布と銀行の通帳。紙には、「よー元気?おれおれ、わかるよね。とりあえずここで暮らしてて」なんて、少ない文なんだ。もっということあるだろうが。なんでだよ、まったく。財布を開ければ、5万円が入っていて、通帳を開けば・・・まあ、ゼロがいっぱい・・・。よかったこれで生活はできそう。

「お前ん家でけー広いなー!!」

口をひらきっぱなしの田島を帰らして、そそくさ風呂場へと駆け込む。大きな鏡の前で仰天した。なんだ、このイケメン!!彼氏にしたい!!髪は少し茶を帯びていて、顔はすごく整っている、瞳は二重だし、かっこいいな。じゃない!!あたしの美人顔はどこへいったの?!いや、美人じゃないけどね!!そしてズボンを勢いよく下ろせば、私は少しの間気を失った。



絶望を乗り越えて生きよう

   

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