NARUTO | ナノ
01013/3
黄金に光る夕日を背に、私は思った。
ずっと触れている唇が離れなければいいのに、
貴方の腕がほどけなければいいのに、
貴方がずっと近くにいればいいのに。
黄色い髪をずっと撫でていられればよかったのに。
叶わない願い事を毎日、毎日祈って。
貴方と会うたびにそれは欲を増していって。
気づけばもう戻れないところまできていたの、
ねえ、どうすればいい…?
夕日に照らされて黄金色の貴方の笑顔がいつにもまして眩しくて、
溢れて止まらない思いがまた多くなる。
「僕たちは、」
ある日突然囁かれた言葉は、優しかった。
貴方に抱かれながら耳元で囁かれる言葉は体全体を潤すはずなのに、
その言葉は私の気力を全部吸い取ってしまった。
――僕たちは、いつまでこうしてられるのだろうか
愛しい貴方の声がひどく残酷に聞こえて、どうしようもなく胸を痛めつけた。
心を刺さった無数の刃を深く、もっと深く奥まで差し込まれたかのような痛み、
どんなにあがいても、取れそうにない。
苦痛。
「ミナト…っ…。」
私は行動を起こした、抱きしめる彼の上に乗ると、彼の喉元を両手で押さえ込む。
それに驚くこともしない彼はただ、私を眺めていた。
ああ、あの時と同じだ。
初めて会ったのは、何回目の任務だっただろうか。
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