MATEROAL | ナノ

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「NO NAME、探したんだぞ」

「ごめん、」

雪成の家に向かうと雪成はいた、玄関から身を乗り出して不機嫌そうな顔をしてNO NAMEを見下ろす。

「ったく、お前が校門で待ってろって言ってたから待ってたのに」

「……うん」

いつもはそこで反撃するNO NAMEだが、今日はしおらしい、どうしたのかと雪成はNO NAMEの顔を覗いたが、視線は合わない。

「まぁ、いい。上がれよ」

「や、今日は渡すもの渡して帰るから」

と言ったが雪成が腕を引っ張ったので、大人しく上がることにした。

雪成の部屋は初めてではないので、いつも自分が座るベットの上に座れば、

雪成も隣に座ってきた。

で、なんの用だという顔をNO NAMEに向けたので、NO NAMEはカバンの中からチョコを取り出して、ぐい、っと差し出した。

「チョコ…?」

雪成はそれをチョコだと確認すると、頬を緩めた。

「へぇ…手作り?」

「一応…嬉しい?」

あんなにたくさん貰っていたから、と心配してNO NAMEは雪成の顔をのぞき込むと、

雪成は少しはにかむように笑う。

「うん」

「よ、よかった…」

「でも、なんで校門で渡してくれなかったんだ」

「それは女の人達が、雪成にたくさんチョコをあげてたから、」

言いにくそうにNO NAMEはもごもごとしゃべるが、雪成はしっかりとNO NAMEを見つめていた。

「だから、私のチョコなんてもらっても、嬉しくないかなあ、って…」

思い出すとなんだか寂しくなる、瞳を細めた時。

NO NAMEの身体は反転した。

「っ…?」

気づくと、ベットが後ろにあった、柔らかな感触になんでこうなったのか分からずにいると、

上には雪成の姿ある。

「なにそれ、可愛すぎるな」

少し顔を赤らめながらゆっくりと雪成の顔が近づいてくる、それにNO NAMEは驚いて両手で雪成の胸板を押し返した。

それに雪成は不機嫌そうな顔を一瞬して、また笑顔になった。

「そんな力じゃ押し返せないよ」

「へ…っ…」

その瞬間柔らかい感触が唇に触れると、同時に雪成の押し返した身体が迫った。

「っ…」

初めてではないが、状況が状況だ。

いつもり長いその口づけに息ができなくなる、口を開けようとした時、

生ぬるいものが一瞬で口に入り込む。

「は…っ…ん」

こんなキス、したことない――っ…。

NO NAMEから漏れる甘い声と、絡みつく舌で雪成自信の顔も少し赤く染まっていた。

「やっぱ、やめ!」

「…っ…」

いきなり離れた雪成はすぐに起き上がると、NO NAMEから少し離れて息を吐き出した。

NO NAMEもゆっくりと起き上がると、息を吐き出す、その顔は火照っていた、

雪成はそれを見ると、あー、と唸る。

「やっぱダメ、その顔も無理。」

その言葉に傷ついたNO NAMEはムッとした表情でNO NAMEを見上げたが、

雪成は目を合わせようとはしなかった。

「違う、我慢できそうにないんだよ…今日、お前可愛すぎるから」

その言葉にNO NAMEは再び顔を赤らめると、そそくさ雪成の部屋の扉を開けた。

「か、かえるっ」

「ちょ、送ってくっ」

「不要です!」



Sweet kiss

甘いキスは危険な香り


   

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