2001 1/3 「大丈夫、僕が絶対助けるから」 そういって力強く頷いたアラジン私の肩に触れた。じんわりと感じる彼の感覚に、瞳を細める。言葉の通りにアラジンはアリババを助けてくれた、顔色も体温も戻ったアリババが目を覚ましたときは、心の底から安心した。シンドバット様もいつのまにか元通りになっていた。 「アラジン・・・ありがとう、本当に・・・」 「うん、」 笑ったアラジンの表情に小さく笑う。良かった・・・本当に。彼は私を救ってくれたように、アリババも救ってくれた。きっとたくさんの人を救ってきたんだ。彼がいてくれて・・・良かった。 「NO NAMEが笑顔になれるんだったら、僕はなんでもやるよ」 「・・・どうしてそこまで」 少し、気になった。彼は私に常に笑顔を見せてくれて、温めてくれる。どうして彼がそこまでしてくれるのか、最初は私に同情しているのかと思っていた。 「君を自由にしてあげたいんだ」 その言葉に瞳を細めた。本当にアラジンは優しい、誰にだって手を差し伸べてくれる、太陽みたいな子だ。こんなふうになれたらよかったのに。私も他人を助けられたらいいのに。でも私はそんな力もないし、そんな余裕も、ない。助けたいけれど、今はまだ精一杯。それでもジュダルに捕らわれていた私は、もういないような気がする、彼のことを思い出すだけで顔色を変えていた私は、もういない。 「アラジン私はもう・・・」 貴方のおかげで、みんなのおかげで、やっとちゃんと踏み出せるような気がするの そう言おうと思った瞬間、アラジンの顔は歪んだ。どこか悲しく、怒りを表すようなそんな瞳で遠くを見つめては、拳を握る 「君は・・捕らわれているから」 ―――忘れた気になって ――お前はまだちゃんと覚えているはずなのに [しおりを挟む] |