追わないから逃げないで | ナノ



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アラジン達のところへと戻ろうと足を進ませたが、華やかだった人々の声が恐怖の色に変化していることに気づく、おびえる人々をかきわけて、アラジン達と探せば、見えたのは同じ服をまとった仮面の男達。そこから漏れる人とは違う、雰囲気に思わず瞳を細めた。以前にも、感じたことがあるような気がした。

――思い出せ

頭の中で響いた、声が体の中で反響して、動けなくなる。前にも聞こえたこの声。

一体、貴方は誰なの・・・?

そのとき、仮面の男と目があった。交差する瞳の中、はっとして目をそらせば、男はこちらに向かってくる。そのとき、アリババの声が響いた。

「NO NAME!下がれ!」

言われた通りに下がると、アリババの手が伸びてきて私を抱き寄せる。同時にアリババは剣で男の腕を切り裂いた。その瞬間、切り裂かれた腕から大量の血がこちらに向かってくる。アリババが私をかばうようにたったせいで、その血は全てアリババにかかってしまった。

「大丈夫?!」

「ああ、って・・・なんだ・・・?」

アリババにかかった血が腕に染み込んでいくと、そこから黒い何かが見え隠れする。感じるのは、ただ・・・黒いなにか。

「死の呪縛を施した!!」

同じようにシンドバット様も血が染み込んでいた。

「・・・呪縛・・・、」










――思い出せ








   

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