1901 1/2 アラジン達のところへと戻ろうと足を進ませたが、華やかだった人々の声が恐怖の色に変化していることに気づく、おびえる人々をかきわけて、アラジン達と探せば、見えたのは同じ服をまとった仮面の男達。そこから漏れる人とは違う、雰囲気に思わず瞳を細めた。以前にも、感じたことがあるような気がした。 ――思い出せ 頭の中で響いた、声が体の中で反響して、動けなくなる。前にも聞こえたこの声。 一体、貴方は誰なの・・・? そのとき、仮面の男と目があった。交差する瞳の中、はっとして目をそらせば、男はこちらに向かってくる。そのとき、アリババの声が響いた。 「NO NAME!下がれ!」 言われた通りに下がると、アリババの手が伸びてきて私を抱き寄せる。同時にアリババは剣で男の腕を切り裂いた。その瞬間、切り裂かれた腕から大量の血がこちらに向かってくる。アリババが私をかばうようにたったせいで、その血は全てアリババにかかってしまった。 「大丈夫?!」 「ああ、って・・・なんだ・・・?」 アリババにかかった血が腕に染み込んでいくと、そこから黒い何かが見え隠れする。感じるのは、ただ・・・黒いなにか。 「死の呪縛を施した!!」 同じようにシンドバット様も血が染み込んでいた。 「・・・呪縛・・・、」 ――思い出せ [しおりを挟む] |