0401 1/2 感じたことのない痛み、左頬に灯る熱は冷めることのない。 もう一度ジュダルが右手を振り上げたとたんにNO NAMEの両腕は自らを守るために 自分の顔を囲っていた。 「いや…っ…」 自然と出ていた声は小さく、細い声だったが、ジュダルはそれをしっかりと聞いた。 ジュダルの瞳はNO NAMEの怯える腕を掴みあげると、 そのまま床に押し倒した、馬乗りになったジュダルはまっすぐにNO NAMEを見下ろすと 顔を近づけた、鼻と鼻がぶつかる距離で、ジュダルは囁く。 「なんでそんな顔するんだよ」 そして唇が触れると荒々しく口を割られる、何度も何度も触れ合う唇と 絡み合う舌は身体を熱くさせる、ゆっくりと唇が離れれば、 ジュダルの射抜くような瞳がNO NAMEを見ていた。 「やめろよ、気に食わない」 「っ…だって…っ…」 瞳に溢れ出す涙はどうしようもなかった、 痛い、痛い、と叫び出す身体は反応する。 「なんだよ?!」 大きいジュダルの声はますますNO NAMEの身体を震え上がらせる。 びくびくするNO NAMEにジュダルは素早く離れると、眉をしかめて部屋を出ていく。 解放された身体を素早く起き上がらせると、NO NAMEは痛む左頬をさすった。 血も傷つけられるのも慣れているはずなのに、辛い。 なんで、奴隷の時はもっといっぱい痛みを与えられてきたのに。 だからこそ、死にたいと思うようになってしまったのに。 一番、辛いのは、なぜ。 [しおりを挟む] |