25033/3
「・・・NO NAME、」
「どうしたんだアラジン」
「ううん、なんでもないよ」
頭の中で浮かんだ彼女の顔に、魔法を中断する。水と熱の合体魔法が止んで、不思議そうな顔を浮かべた仲間達に笑いかけるが、ちっとも本気で笑顔にはならない。そして頬に冷たいものが流れると、一気に涙が溢れた。
「どうしたんだよアラジン!?」
よく、わからない。 わからないのに、心の中でつながった彼女の想いが、笑っているように見えた。良いことのはずなのにそれがどうしても辛くて。だんだんと消えていく彼女の姿に涙が止まらない。
――NO NAME、NO NAME
←
[しおりを挟む]
|