追わないから逃げないで | ナノ



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「・・・NO NAME、」

「どうしたんだアラジン」

「ううん、なんでもないよ」

頭の中で浮かんだ彼女の顔に、魔法を中断する。水と熱の合体魔法が止んで、不思議そうな顔を浮かべた仲間達に笑いかけるが、ちっとも本気で笑顔にはならない。そして頬に冷たいものが流れると、一気に涙が溢れた。

「どうしたんだよアラジン!?」

よく、わからない。
わからないのに、心の中でつながった彼女の想いが、笑っているように見えた。良いことのはずなのにそれがどうしても辛くて。だんだんと消えていく彼女の姿に涙が止まらない。





――NO NAME、NO NAME









   

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