追わないから逃げないで | ナノ



2002
2/3



「私は故郷を見てみたいんです」

部屋の中で、モルジアナちゃんとベットの上で話していた、よく眠れないときは彼女と話をした。色々なことを話してくれた、アラジン達の冒険のことなども。故郷を見に行くモルジアナのようにアラジンも魔法の勉強をしにいくと言っていた、アラジン達との旅は先になるけれど、それでもいい。白龍皇子もこの国から帰ると言っていた。

「故郷か・・・モルジアナちゃんの故郷、見てみたいな」

モルジアナちゃんが生まれた土地、大地、自然。羨ましい、私も覚えている。どこに住んでいたのかは転々と奴隷になって移動していたため忘れてしまったが、父と母。幸せだったような気がする、あのぬくもりが好きだった。

「行ってみますか・・・?」

「え、」

「私と一緒に行きましょう、危険な所だけれど私が貴方を守ります」

その言葉に笑顔が溢れた。彼女は私の思ってることなどお見通しだったようだ。触りたい、感じたい、自然を大地を、世界を。急かす私の気持ちを、モルジアナちゃんは知っていてくれる。

「うん・・・っ」

そしていつか見つけられたらいい、私の故郷を

どこにあるかわからない、故郷を

 

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