追わないから逃げないで | ナノ



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「貴方に、NO NAMEのことで話したいことがあるんです」

「NO NAMEのことで・・・?」

「彼女がジュダルに囚われていたこと、知っているでしょうか」

「はい、でも二人は、とても・・・」

囚われていた、とは違う・・・。愛し合っているように、見えた。

「いいえ、彼女は囚われていたんですよ。彼から離れた今でも、その鎖は切れることはない」

「・・・・・・鎖・・・?」

「・・・・・・ひどいものだ。その鎖の名前を愛とくくれるほど、簡単ではない」






それは、愛なのか



おぞましいほどの、愛か




彼女は解放されることは、ない。




「忘れさせることはできる。だから彼女の前で、ジュダルの話はしないでほしい」

「・・・わかりました」



彼女がいなくなった後のジュダルちゃんは、見ていられなかった


今までにないほどの人を殺し、国を潰し


彼を覆う何かがより一層黒くなった


彼は恐ろしいほどに、変わっていった。元々そんな感じの彼だったけれど


彼女が傍にいた時は少しだけ、柔らかかったような気がしてならない





今のジュダルちゃんは、なんだか恐ろしい



   

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