追わないから逃げないで | ナノ



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「可愛い子だったなあ、」

「でもあの方・・・、」

「どうかしたのか?」

NO NAMEとヤムライハの後ろ姿をじいっと見つめるモルジアナの顔を覗き込んだアリババの顔は傾く、

「あの方、きっと・・・奴隷だった方です」

「!」

アリババとアラジンの瞳が見開くと、モルジアナの瞳がうっすらと細まった。

「・・・なんでわかるんだ?」

「身体にムチの傷跡があるのが見えました」

服の隙間から見えた、ムチで叩かれたような傷跡、一生消えない傷跡。

「・・・でもこの国は、そうゆう人達いっぱいいるよな」

「でもNO NAMEが元のNO NAMEになれるまで、時間がかかると思うんだ」

突然声色が変えたアラジンにアリババは小さく息を吐き出す

「そりゃあそうだと思うけど」

「それに・・・NO NAMEのルフは、何かに捕らわれているみたいなんだ」

「・・・何か?」

「何か、黒いものに・・・・・・僕、気になるんだ」





何か、黒いもの



ルフを捉えて、彼女自身の思いも拘束するような何かが、



・・・誰かが




   

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